「主体性」と「学びの深まり」を引き出すコミュニティビルディングと「ふりかえり」実践ワークショップ レポート

2025年9月13日(土)高尾の森わくわくビレッジ、9月15日(月祝)国立オリンピック青少年センターにて、体験教育におけるリフレクション(ふりかえり)の専門家 ジェニファー・スタンチフィールド氏 を講師に迎え、二日間のワークショップを開催しました。

教育、福祉、企業研修、心理支援など、多様な分野から参加者が集まり、学習者の「主体性」と「学びの深まり」をどう引き出すかを体験的に学ぶ機会となりました。


学びの焦点は「リフレクション」

本ワークショップでは、体験を「やりっぱなし」にせず、ふりかえりを通して深い学びに変えるための方法を探求しました。ジェニファー氏は、神経科学やSEL(社会性と感情の学習)の観点を交えながら、以下のポイントを強調しました。

ポイント

  • 選択とオーナーシップ:学習者に選ぶ自由を与えることで、主体性が高まる
  • 環境設定:はじめの5分・終わりの5分の工夫が学習全体を左右する
  • 多様な表現方法:言葉だけでなく、ツールやメタファーを介して内省を引き出す
  • 心理的安全性:安心して挑戦できるコミュニティづくりが深い学びにつながる

参加者の声から見えたこと

アンケートでは、参加者の多くが「学びの方法の多様性」に触れ、強い印象の感想が多く寄せられています。

  • 「アイスブレイクで使っていた活動が、振り返りにも活用できると気づいた」
  • 「子どもに選択肢を与えると主体的になる可能性が広がる」
  • 「小物やカードなどのツールを通じて、自然に会話や自己表現が生まれる」
  • 「居心地のよさだけでなく、あえて小さなチャレンジを加えることも必要だと学んだ」

また、「心理的安全性をつくる仕掛けがいかに効果的かを実感した」「問題が起きたときこそ学びの契機になる」という声もあり、単なる技法の習得を超え、学習観そのものに変化が生まれている様子がうかがえました。


今後の実践にどう活かせそう?

「まずは試してみたい」「自分の現場に合わせてアレンジしたい」という前向きな声が多く、実践への移行が強く意識されていました。

  • 学級経営や授業のチェックインに取り入れる
  • スタッフトレーニングや企業研修で活用する
  • 子どもや学生に選択権を与え、合意形成の体験を増やす
  • ウェルカムアクティビティを自分のイベントで実践する

まとめ

今回のワークショップは、
「ふりかえり」が学習者の主体性を育み、学びを深める中心的なプロセスである ことを改めて確認する場となりました。ジェニファー氏の温かいファシリテーションと、参加者同士の対話の積み重ねにより、
「振り返るからこそ学びが統合される」「小さな工夫が場を大きく変える」という共通理解が広がったように思います。

今後もプロジェクトアドベンチャー協会では、体験学習をベースにした学びの機会を提供し、教育や支援の現場を支える実践を展開してまいります。